イタリア出身の写真家ティツィアーナとジャンニ バルディッツォーネ夫妻は、5年以上にわたり、知識の伝承をテーマとした写真プロジェクトに取り組んできました。ヨーロッパからアジア、アフリカへと旅をするなか、夫妻は40種類を超える分野で100人以上の師弟に出会います。その関係性を深く探り、細かい表情の変化や動きまでをとらえた写真には、知識が伝えられていく過程で見られる感情や、創造への感動、個々の関係、こうした交流から絆が芽生えていく様子などが表されています。
それぞれの写真は唯一無二でありながら、知識伝承という行為における不変性を鮮やかに描き出しており、伝統と革新、世代を超えた交流、文化の多様性、遺産の保護など、見る者にさまざまな広がりを持って迫り、思いめぐらすきっかけを与えてくれます。
人類が持つ文化的多様性の原動力となってきた、無形の文化と有形の技術を体現する人々。彼らの姿がつぶさに写し出された作品の数々を展示いたします。