写真家カルロス アイエスタとギョーム ブレッションは、2011年3月11日、東日本大震災直後に発生した福島第一原発の事故によって、”no man’s land - 無人地帯”となってしまった地域に幾度となく足を運び、撮影を行ってきました。その中で、この事故がもたらした終わりの見えない状況をリアルに伝えようと、独自の方法で表現を重ね、その結果、ドキュメンタリーとアートを融合させた作品が誕生します。―「光影」:ある日80,000人が消えた街に残されたものとは、「悪夢」:無味無臭で目にも見えない放射線という脅威との共存、「不穏な自然」:時の経過とともに建物をも覆い尽くしていくもの、「パックショット」:現代のポンペイの遺物とでも言うべき取り残された品々、「回顧」:我が家に帰ることへの思い ― これら5つのシリーズから構成されるこの度の展覧会は、事故から5年以上の歳月が経過した今、見るものに改めてさまざまな思いを投げかける機会となるでしょう。