現在シャネル・ネクサス・ホールで開催中の『ピエール セルネ & 春画』は、東洋古美術の美術商である浦上満氏(浦上蒼穹堂 代表取締役)のコレクションより、珠玉の春画の数々を展示しています。本展に際し、3月15日(金)に浦上氏によるギャラリートークを開催しました。
事前にご応募くださった約30名のお客様を前に、春画の概念、そして本展前期(~3/26まで)で展示している5名の絵師、鈴木春信、喜多川歌麿、鳥居清長、鳥文斎栄之、葛飾北斎の作品を見ながら、それぞれの作品の見方や魅力をお話いただきました。
浦上満氏は、北斎漫画を18歳の頃より収集しはじめて50年、今では世界一のコレクターともいわれています。そんな浦上氏が春画を集めはじめたのは、意外にも遅く、46歳頃からとのこと。コレクションしはじめてから20年以上が経ち、今では結構な数になったそうです。
「専門家でなくてもわかるほど、保存状態が良い絵は、同じ絵でも違うもののように見えます。ただ、たくさん良いもの・本物を見ないと、何が良いのか判別しにくい。今回、シャネル・ネクサス・ホールで展示されているものは、相当良いものと言っていいと思います。見たくない人には見せてはいけませんが、良い美術品は国境がないので、春画は日本文化としてしっかり発信していくべきです。ぜひ本展で本物を見ていただき、春画の美しさを感じて欲しいです」と浦上氏は話します。
前期展示は3月27日(水)まで。春画のみ作品の展示替えがあり、3月29日(金)より前期とは違った作品が展示されます。貴重な機会をどうぞお見逃しなく。
取材・文/シャネル・ネクサス・ホール
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