アントワーヌ プーペル氏は、季節の移り変わりとともに、フランスと日本を散策し、数々の光景、季節の瞬間を写真の中にとらえました。こうして切り取られた膨大な数の季節の破片が、写真家のなかで交差して、独自に生み出されたのが“5つめの季節”。目に写る風景が、デジタル加工という技術をへて、写真家の内面の風景へと生まれ変わります。
季節を渡り歩くなかでプーペル氏は、四季が非常に奥深く、重要な意味を持っていることを知ることとなり、ゆえに四季という型にテーマをとどめたくない。その想いから、写真家自身の季節を創り出すことを望み、そこから『saison 5』というタイトルが付けられました。ひとつ、あるいは複数の季節が混ざり合い、色を加え創り出された世界は、ときに見るものを途方に暮れさせます。「私が見ている風景は何なのだろう?」と。
日仏交流150周年の記念の年に、フランス人写真家アントワーヌ プーペル氏が繰り広げる独自の世界を是非お楽しみください。