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FEATURED

2021.8.27 FRI

Pygmalion

シャネル・ピグマリオン・デイズ 2021
鈴木 玲奈 インタビュー

選ばれた5名の若手演奏家たちに、リサイタルの機会を提供するプログラム、シャネル・ピグマリオン・デイズ。昨年より新型ウイルス感染拡大防止のため公演中止が続いていましたが、約1年半ぶりに8月より再開いたしました。

ピグマリオン・デイズの活動再開に先立ちまして、ソプラノの鈴木玲奈さんに近況を伺いました。

-少しずつコンサートが再開し始めましたね。最近の演奏活動の状況をお聞かせください。
昨年から二度延期になったソロリサイタルを、6月に念願叶って行うことが出来ました。また、先月はデュオリサイタルや宗教曲のソロを務めさせていただくなど、徐々に演奏会が再開してきました。心待ちにしておりましたピグマリオン・デイズも、今回お客様に直接お聴きいただける運びとなり、大変嬉しく楽しみにしております!今後は東京以外にも京都や福岡へ伺いまして、来年の1月から2月にかけては、ミュージカルに初めて出演させていただく予定です。

 
-久しぶりのソロリサイタルはいかがでしたか。
6月のリサイタルではコロナ禍になってからの初めてのソロリサイタルということもあり、舞台に出てお客様の姿を拝見した瞬間から涙が溢れて、思わず感極まってしまいました。このような大変な状況の中、お客様が会場に足を運んでくださり、歌を直接お聴きいただけることが本当に幸せで、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 
-公演延期が続く中、どのようにモチベーションを保ってきましたか。
じっくり歌と向き合える良い機会だと発想転換をして、新しいレパートリーを増やすなど、またお客様にお楽しみいただける日に向けて、前向きな気持ちで準備に励んでおりました。

 
-ピグマリオン・デイズ延期中にはコンサートの動画配信、今年3月にはシャネル初のライブ配信にもご出演いただきました。通常のコンサートとの違いは感じましたか。
動画配信の撮影とライブ配信は、また別の緊張感がありました。お客様からいただくエネルギーが私自身のパフォーマンスに繋がっておりましたので、無観客での配信は、自分自身を奮い立たせて歌うこともありました。画面越しに見てくださる方々に、会場で聴いているように感じていただくにはどのようにしたら良いかと考えた末に、いつも通りの演奏を心がけ、目の前にお客様がいらっしゃることを想像しながら演奏いたしました。
また、東京になかなかいらっしゃれないお客様や、これまでピグマリオン・デイズに当選することが出来なかった方々にもご自宅で観ていただくことができ、多くの方にご視聴いただくことができたのはとてもよい機会だったと思います。実際に「配信期間中に何度も繰り返して観ました!」というお声をいただき、とても嬉しかったです。

 
-ピグマリオン・デイズ初回公演(8月29日)の演奏曲目について、今回のプログラムを選んだ理由を教えてください。
ピグマリオン・デイズ全5回の公演では、「歌を通じて世界旅行を皆さんにしていただきたい」と考えており、「クラシック音楽ゆかりの地への誘い」をテーマにお届けしたいと思っております。当初、ピグマリオン・デイズ初回公演(2020年2月)はウィーン留学から帰国後すぐに予定しておりましたので、オーストリアを最初に取り上げたいと思っていました。しかし、コロナウイルスの影響で延期が続き、やっと公演ができるようになった今、母国である日本の魅力からお届けしたいという想いが強くなりました。
その中でもぜひお聴きいただきたいと思っていた作品が、オペラ「夕鶴」です。大学院在学中、学生生活最後の舞台を踏んだ、私にとって思い出深い作品です。授業では日本の所作の指導も受け、厳しく親身なご指導をいただいた経験は、私の宝となっております。自分を救ってくれた恩人のために健気に尽くし、恩返しをする“つう”の姿はまさに日本の心。團伊玖磨の美しい作品をお楽しみいただきたいと思います。

 
-最後に聴きに来てくださるお客様へのメッセージをお願いします。
ネクサス・ホールは至近距離でお聴きいただけることが魅力の一つだと思っております。今回、言葉がダイレクトに伝わる日本の作品をお聴きいただき、日本の美しさや奥ゆかしさを感じていただけましたら幸いです。

 


 
 
 
鈴木 玲奈(ソプラノ) Reina Suzuki
シャネル・ピグマリオン・デイズ2020/2021 参加アーティスト

東京音楽大学声楽演奏家コース、同大学院オペラ研究領域を共に首席にて修了。市川倫子、橘洋子、濱田千枝子、Walter Mooreの各氏に師事。第86回日本音楽コンクール声楽部門第1位、第4回LjubaWelitsch国際声楽コンクール第1位、第15回世界オペラ歌唱コンクール「新しい声2013」アジア代表、第49回日伊声楽コンコルソ第3位、併せて読売新聞社賞、日伊音楽協会賞、第65回全日本学生音楽コンクール声楽部大学の部第3位、第2回東京国際声楽コンクール大学生部門第1位、第11回東京音楽大学コンクール第1位を受賞。日生劇場でのオペラ「後宮からの逃走」ブロンデ役をはじめ、「ランメルモールのルチア」タイトルロール、「ラ・ボエーム」ムゼッタ役、「愛の妙薬」ジャンネッタ役、歌劇「BLACKJACK」彩香役、「キャンディード」クネゴンデ役などを演じ、東京・春・音楽祭2019でのソロリサイタルに出演し、存在感ある音楽表現で好評を博す。2018神宮開幕オープニングシリーズにて国歌独唱を務める他、第九や宗教曲等のソロを務め、国内主要オーケストラと共演し、精力的に活動している。2022年1月〜2月梅田芸術劇場主催ミュージカル「Into the Woods」ラプンツェル役に抜擢され、出演が決まっている。文化庁海外派遣研修員、明治安田クオリティオブライフ文化財団海外音楽研修生としてミュンヘンとウィーンにて研鑽を積む。2019年日本コロムビアよりデビューアルバム「BellSong」をリリース。
オフィシャルウェブサイト: coloreina28.wixsite.com/reinasuzuki

INFORMATION

2021年8月29日(日)ソワレ公演
鈴木玲奈(ソプラノ)演奏プログラム


ピアノ:篠宮久徳

山田耕筰:みぞれに寄する愛の歌
越谷達之助:初恋 
小林秀雄:落葉松 
中田喜直:未知の扉
中田喜直:霧と話した
中田喜直:「魚とオレンジ」より第1曲"はなやぐ朝"
中田喜直:「魚とオレンジ」より第5曲"艶やかなる歌"
中田喜直:「魚とオレンジ」より第8曲"らくだの耳から(魚とオレンジ)" 
オペラ「夕鶴」より抜粋

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