FEATURED
2021.7.26 MON
Pygmalion
シャネル・ピグマリオン・デイズ 2021
八木 大輔 インタビュー
選ばれた5名の若手演奏家たちに、リサイタルの機会を提供するプログラム、シャネル・ピグマリオン・デイズ。昨年より新型ウイルス感染拡大防止のため公演中止が続いていましたが、約1年半ぶりに来月8月より再開予定です。
ピグマリオン・デイズの活動再開に先立ちまして、コンサート再開後初の公演で演奏を披露してくださる、八木大輔さん(ピアノ)に近況を伺いました。
-新型コロナウイルスの感染拡大が心配されている中、現在、学校生活をどのように過ごしていますか。
世間は日々状況が変わったりしていますが、学校に関してはほぼコロナウイルス流行前と変わらない生活に戻りました。自粛期間中は生活に様々な制限があり大変なこともありましたが、オンライン授業のシステムが出来たので、日常の学校生活に新しいテクノロジーが加わり、以前よりも便利になったと思います。
-ピグマリオン・デイズ初の動画配信で、長期休みに海外へピアノレッスンを受けに行っているとお話されていましたが、いまだに海外への移動が難しい状況が続いていますね。
レッスンに関しては、イタリアにいらっしゃる先生とオンラインで繋いで行っています。最初は音がきちんと聴こえなかったらレッスンになるのかどうか不安でしたが、実際にオンラインレッスンを受けてみたところ、内容は8割くらい伝わるのではないかと思いました。ただ、これまで対面のレッスンで見ることが出来た、演奏中の先生の体全体の動きや体の使い方は、撮影と画面上の切り替えが難しいたため、なかなか見ることが出来ません。また、先生が僕の手に触れて実際に弾き方を教えてくださったりしていましたが、それがオンラインレッスンだと出来ないので残念ですね。
-ピグマリオン・デイズへの参加決定時は高校1年生で、現在は3年生になり、より学業との両立が大変な時期だと思いますが、いかがでしょうか。
ピアノと学業との両立は今一番の課題ですが、両方とも好きで楽しいです。例えば、勉強を通して世の中の仕組みや法則を知ったあと、それをピアノに活かすことができますし、ピアノを練習したあと勉強に活かせることもあります。「学ぶ」こと自体が僕は好きなので、それが学業と並行してピアノにも取り組み続けることができる理由になると思います。
-ピグマリオン・デイズ初回公演(8月15日)の演奏プログラムについてお聞きします。今回の曲目を選んだ理由を教えてください。
コンセプトは「祈り」です。メシアン、リストの晩年の作品、バッハ…取り組んでいる作品を並べてみて、祈りというテーマでやってみようと思いました。ちなみに、コロナウイルスが蔓延する前にすでに決めていたプログラムで(当初予定していた初回公演は2020年2月)、以前からこのテーマで演奏したいと思っていました。もともとのテーマは「コロナ終息のための祈り」というものではありませんでしたが、タイミングとしては祈りの時期としてちょうど良いのではと思っています。
-聴きに来てくださるお客様へのメッセージをお願いします。
聴いてくださる方にプログラムを通して、何かを感じて取っていただけたらいいなと思います。押し付けるという感じではなく、お客様に委ねたいです。僕は作曲家が楽譜に書いたことをお客様に伝えて、自分の個性は、楽譜を読みこんだうえで乗せていきたい。作曲家の音楽に身をささげて演奏を頑張りたいと思います。
八木 大輔(ピアノ) Daisuke Yagi
シャネル・ピグマリオン・デイズ2020/2021 参加アーティスト
2003年神奈川県生まれ。4歳より藤井麻衣子、6歳より石井理恵の両氏に手ほどきを受け、現在黒田亜樹、藤井一興の各氏に師事。またタチアナ ゼリクマン、ドミトリー バシキーロフの各氏にも指導を受ける。2017年5月、第7回ピアノタレント国際コンクールにて大賞および聴衆賞 受賞。同年10月第30回ポッツォーリ国際ピアノコンクールにおいて第3位、13歳で史上最年少入賞を果たす。2018年3月第4回スタインウェイコンクールin Japanにて大賞および聴衆賞受賞。同年5月チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクール古典派部門で第1位(最年少受賞)併せてベートーヴェン賞受賞。2019年6月、アンドレア・バルディ国際ピアノコンクールにて、史上最年少で第1位受賞。現在、慶應義塾高等学校在学中。
INFORMATION
八木大輔(ピアノ)演奏プログラム
J.S.バッハ(ブゾーニ編曲):アダージョ
J.S.バッハ(ブゾーニ編曲):「コラール前奏曲」 より
今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ
J.S.バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914
シューベルト(リスト編曲):アヴェ・マリア
リスト:「詩的で宗教的な調べ」 より 愛の賛歌
メシアン:嬰児イエスに注ぐ20のまなざし より
15番 嬰児イエスのくちづけ
10番 喜びの精霊のまなざし
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