リリアンバスマンはメディアに新しい自由の感覚をもたらした、戦後世代の伝説的なファッション写真家です。アーティスト、アートディレクターとしての教育を受けた彼女は、写真を素材に、斬新かつ驚くべき方法でイメージを制作しました。視覚的に引きつける、独特の雰囲気をもった作品を創造してきたリリアンは、50年にも及ぶキャリアを通じて常に革新的であり続けました。1948年にハーパーズ バザー誌で写真家としてのキャリアをスタートさせた彼女は、同誌が大成功を収めた時代の最大の貢献者の一人となり、その後の20年間で、当時のあらゆる一流モデル達を使い、洗練された女性の内面を捕らえた一連の作品を完成させます。1970年代にはファッション写真から離れ、より個人的な表現形態を取るようになりますが、1996年後半、79歳でファッション写真界に戻ると、その功績が国際的にも支持されるようになりました。この度の展覧会では、その生涯の長きにわたり写真を撮り続けたリリアンの膨大な作品の中から、厳選された代表作の数々を日本で初めてご紹介させていただきます。リリアンバスマンのまなざし、さまざまな型で試みを続けてきた創作への彼女の情熱、自身のアートに対する愛情が凝縮されています。