1962年、27歳だったダグラス カークランドは、当時とても有名だった写真誌「Look」から、ファッション界の伝説的なアイコン、マドモアゼル シャネルに関する記事のため、写真撮影の仕事の依頼を受けました。この依頼に、マドモアゼルは当初まったく乗り気ではありませんでしたが、まずはカークランドに、シャネルの専属モデルを撮影し、その写真を提示するように求めます。その写真をチェックしたマドモアゼルは、この若手カメラマンの技術に魅了され、自分のプライベートルームの出入りを許可したのです。そこで、カークランドは3週間彼女に密着し、その過密スケジュールや、モデル、フィッター、顧客や友人たちとの日常生活を写真におさめていきました。これらの写真のネガは最近になってカークランドの倉庫から偶然発見されました。その貴重な写真が、この度日本で初めて公開となります。そこには、若きダグラス カークランドが後に写真家として大成する才能の予感と、20世紀ファッションを一変させたココ シャネルの、在りし日の知られざる日常が、あますところなく写し出されています。