1972年南仏グラース生まれ。父親はシャネルの専属調香師であるジャック ポルジュ氏。映画と哲学を学んだ後、パリの国立高等美術学校で美術を学び、フランス内外の数多くの展覧会に出品。10年ほど前からあらゆる流派や傾向から離れ、時代に流されることなく、独自の路線で創作活動を行っています。絵を描き始めた10代の頃より、その関心は常に自然と風景に向けられて行きました。初期の作品は、中世の細密画家の手法を彷彿とさせるディテールへの描写が多く見られますが、次第にひろがりを帯びて、軽やかになっていきます。いわゆる「東洋の紙」と出会い、その優雅さと扱いやすさを知ることにより、自然に対する眼差しがますます柔らかくなっていったのです。今日ある独自のスタイルは、作品を創りあげる過程のなかに、日本の美意識を明らかに感じることでしょう。新たな表現で作品にひろがりを与えながら細部にこだわり続けることで、さらに暗示的で、曖昧で、瞑想的な世界が創りあげられています。