CHANEL NEXUS HALL

選ばれた5名の若手演奏家たちに、リサイタルの機会を提供するプログラム、シャネル・ピグマリオン・デイズ。昨年より新型ウイルス感染拡大防止のため公演中止が続いていましたが、約1年半ぶりに来月8月より再開予定です。

ピグマリオン・デイズの活動再開に先立ちまして、現在、留学先のアメリカから一時帰国中の平間今日志郎さん（ピアノ）に近況を伺いました。

－アメリカはワクチン接種が進み、日常生活を取り戻しつつあるように見えますが、大学院生活はいかがでしょうか。
今年の3～4月頃にはすでにワクチン接種の案内が大学から来ていました。感染対策に気を使って外出は控えていましたが、大学は音楽学部だけの授業全般は対面で行っています。大学でのコンサートは今年に入ってからオンラインで実施されるようになりましたが、観客を入れてのコンサートはプライベートコンサート（少人数やスポンサー主催のもの）以外はまだ開催されていない状況です。コンサート事情を見ると、まだアメリカは基本的にオンラインコンサートが中心なので、日本のほうが対策をしながら多くのコンサートが開催されているので、制限はありますが、アメリカよりも動き出している印象です。

 
－予定していたコンクールやコンサートがキャンセルとなりましたが、この一年間、どのようにピアノと向き合っていましたか。
昨年はコンクールやコンサートがキャンセルになり、舞台経験を積むことが出来なかったので、その点でいうと多少不安な部分はあります。でもその分、先生とのレッスン回数が増えてみっちり教えていただけたので、よりコミュニケーションが取れるようになりました。次第に先生がコンサートに出てみない？と推薦してくれたりと、今まで以上に先生との信頼関係が築けたかなと思います。あとはコンクールや本番がなかったので、じっくり時間をかけて勉強したかった曲に取り組んで仕上げることが出来ました。

 
－ピグマリオン・デイズ初回公演（8月21日）の演奏プログラムについてお聞きします。今回のプログラムを選んだ理由を教えてください。
ピグマリオン・デイズが当初の開始から1年半くらいキャンセルが続いてしまったので、再開が待ち遠しく、今回は「いま一番自分がネクサス・ホールで演奏したい作品」を選びました。リストのロ短調ソナタに関しては、過去のピグマリオン・デイズで何回も演奏されている作品ですが、自分の音楽をより見せることが出来る曲に挑戦する機会にしたいと思い選びました。チャイコフスキーとラフマニノフは日本に帰国してから準備し始めた曲で、今回のシャネルのコンサートで初めて披露します。ちょうど夏休みで日本に帰国し、自分が一番演奏したい曲にじっくり取り組める時間があったため、結果としてロシアものを中心とした豪華なプログラミングになりました。

 
－聴きに来てくださるお客様へのメッセージをお願いします。
自分だけの音楽を見せることができたらと思いますが、それ以上に作曲家の代弁者と言っては大袈裟ですが、まずは作品自体が持つ良さや素晴らしさを聴いてくださる方々に伝えられたらと思っています。

 
※平間さんの過去のインタビューはこちらでご覧いただけます。

1998年生まれ、大阪府出身。第7回仙台国際音楽コンクールピアノ部門第5位、第69回全日本学生音楽コンクール全国大会高校の部第2位及び横浜市民賞（聴衆賞）、PTNAピアノコンペティションF級金賞、Jr.G級金賞、第22回松方ホール音楽賞選考会奨励賞、第9回堺国際ピアノコンクールD級第1位、第1回寝屋川アルカスピアノコンクール高校生部門第1位及びソロ部門グランプリ、第4回デザインKピアノコンクール第1位など数々のコンクールで入賞する。仙台フィルハーモニー管弦楽団、サンパウロ青少年交響楽団、ウズベキスタン交響楽団等との共演をはじめ、国内外で数多くのコンサートに出演。寝屋川市芸術スポーツ功労表彰及び寝屋川市教育委員会特別功労表彰を二度受賞。2017～2019年度ヤマハ音楽振興会音楽奨学支援奨学生。これまでに小嶋浩子、クラウディオ ソアレス、上野真、スタニスラフ ユデニッチの各氏に師事。大阪府立四條畷高等学校文理学科を卒業後渡米し、パーク大学International Center for Music卒業。在学中、大学内成績優秀者に送られるthe Benny and Edith Lee Music Scholarship受賞。現在、同大学院修士課程在学中。