FEATURED
2021.7.29 THU
Pygmalion
シャネル・ピグマリオン・デイズ 2021
前田 妃奈 インタビュー
選ばれた5名の若手演奏家たちに、リサイタルの機会を提供するプログラム、シャネル・ピグマリオン・デイズ。昨年より新型ウイルス感染拡大防止のため公演中止が続いていましたが、約1年半ぶりに来月8月より再開予定です。
ピグマリオン・デイズの活動再開に先立ちまして、コンサート再開後初の公演で演奏を披露してくださる、前田妃奈さん(ヴァイオリン)に近況を伺いました。
-4月から大学1年生になりましたね。新生活はいかがでしょうか。
高校の時よりもだいぶ自由な時間が出来ました。授業はフル単位で取っていますが、授業がない日もあったり、一日オンラインだけの授業で終わってしまうこともあります。大学に入学しましたが、みんなマスクを着けて過ごしているので誰が誰だかわからないことが多くて、マスクの下の顔を想像したり・・・友達作りに苦戦しました。前例のない悩みかと思います(笑)私は付属高校からの進学ですが、今年は特に大学から入学した生徒が多かったみたいで、弦楽器の一年生だけでマーラーが演奏できるくらい大人数です。
-多くのコンサートがキャンセルになり演奏が出来ない日々が続くなか、どのようにモチベーションを保っていましたか。
正直、すごく息抜きが出来た期間だったと思います。自分が思っている以上に、他の人から見ると、私は色々とたくさんのことに取り組んでいたようだったので、こんな時間があってもいいのかな?と思いながら過ごしていました。
-”息抜きの期間”とのことですが、昨年の夏に開催された「東京音楽コンクール」弦楽部門で第一位を受賞するなど、素晴らしい結果も残しましたね。
昨年は多くのコンサートがキャンセルになったので、コンクールの一次予選が人前での久しぶりの演奏ということもあり、もはや何もかも忘れて、一旦全部リセットして演奏できたことが良かったかもしれません。そう思うと、自粛期間もすごくマイナスではなかったですね。
-ピグマリオン・デイズ初回公演(8月15日)の演奏曲目について、今回のプログラムを選んだ理由を教えてください。
まず一番大きなポイントとしては「プロコフィエフ」を弾きたかった、これに尽きます。練習してみては?と周りからも言われていましたし、私もずっと好きな曲だったので、いつか弾けるときがないかなと思っていました。今回初めて演奏するので、今譜読みをしているところです。
-聴きに来てくださるお客様へのメッセージをお願いします。
パガニーニは一度は聴いたことのある曲なのでご挨拶代わりに演奏しまして、続いてポエム(ショーソン作曲 詩曲)は激しいようで激しくなく、心の叫びのような作品。そしてプロコフィエフは近現代の作曲家なので一見、難しそうでとっつきにくい感じがしなくもないですが、とてもわかりやすい曲だと思います。久しぶりにコンサートに来てくださるお客様が演奏を通して「ヴァイオリン・ソナタとはこういうものだ」と再発見していただける機会になれば嬉しいです。
前田 妃奈(ヴァイオリン) Hina Maeda
シャネル・ピグマリオン・デイズ2020/2021 参加アーティスト
2002年大阪府生まれ。4歳よりヴァイオリンを始め、これまでに井上敦子、前田悦代、現在、小栗まち絵、原田幸一郎、神尾真由子の各氏に師事。2019年第88回日本音楽コンクールバイオリン部門第2位及び岩谷賞(聴衆賞)。2020年第18回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第67回全日本学生音楽コンクール全国大会小学校の部第1位。第16回クロスターシェーンタール国際バイオリンコンクール(ドイツ)14歳以下の部第1位、併せてヴィルティオーゾ賞、全部門の出場者中最高得点奏者に贈られるForderpreisを受賞。その他、霧島国際音楽祭賞、松方ホール音楽奨励賞など、国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスで多数の賞を受賞。11歳より、関西の主要オーケストラ他とソリストとして共演するなど、関東、関西にて多様な形式の演奏会に出演。佐渡裕とスーパーキッズオーケストラに在籍。2016年度より3年間ヤマハ音楽振興会音楽支援奨学金受給生。公益財団法人江副記念リクルート財団第48回奨学生。サントリーホール室内楽アカデミー第6期フェロー。東京音楽大学1年に特別特待奨学生として在学。
INFORMATION
前田妃奈(ヴァイオリン)演奏プログラム
ピアノ:諸田 由里子
パガニーニ:24のカプリース 第24番 イ短調 作品1
ショーソン:詩曲 作品25
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 作品94bis ニ長調
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